森林は私たちの暮らしの基盤を作り、地球温暖化の原因となる二酸化炭素をストックするなど、重要なはたらきをしています。
東京都の森林面積は約7万8千ヘクタール。そのうちの70%が多摩地域に偏在し、多摩地域の森林の60%が人工林です。人工林の多くは昭和30年代に植えられ、現在は採算性の悪化などにより利用されず、手入れも行き届いていません。その結果、山にはスギやヒノキが密集した薄暗い森が目立つようになりました。
森林のもつ本来の機能を活かすには、適切な手入れを続けることが必要です。
NPO法人フジの森は、公益社団法人国土緑化推進機構が実施する
緑の募金公募事業のうち、2008年より新たに始まった「国民参加による間伐及び間伐材の利用促進事業」による支援を、幸いにも初年度から5年間にわたり受けることができました。
事業の一貫として、間伐及び間伐材の利用促進についての小冊子も作成し、
教育の森の森づくりプログラムのテキストとして利用しています。
小冊子「かんばつでがんばって」
○事業名: 多摩交流センター「市民企画による共催事業」シンポジウム「多摩地域から考えるエコツーリズム」とは
○実 施 日: 平成20年12月23日(火・祝)
○実施場所: JA東京第一ビル4F講堂
○時 間: 13時から17時(4F展示室は、12時から開場)
○主 催: 特定非営利活動法人フジの森
○共 催: (財)東京市町村自治調査会多摩交流センター・とうきょう森林産業研究会
○後 援: 檜原村、奥多摩町、東京都
○協 力: 数馬観光デザインセンター、(社)全国農協観光協会、全国木繊セメント板協会、(有)東京国際貿易、
東京都森林組合、日原森林館、(有)みやび、(株)森のいいこと、(株)森のエネルギー研究所
○参 加 費: 無料(ただし資料代 1000円)
○参加者数: 182名
○運営体制
・実行委員長…清水久巳(特定非営利活動法人フジの森理事長)
・副実行委員長…宇高純一(とうきょう森林産業研究会会長)
・実行委員・スタッフ…特定非営利活動法人フジの森、とうきょう森林産業研究会
○参加者の募集方法
・新聞社・多摩地域のミニコミ紙等へリリース
・特定非営利活動法人フジの森会誌『風のたより』にて告知
・多摩地域の市町村、区の公共施設他へ広報依頼 他
報告書
「多摩地域から考えるエコツーリズムとは」
会場に展示したログハウスⅠ模型 シンポジウム会場

事例発表「檜原村の宝」
森林ボランティアの受け入れや間伐材活用を進めている
井上佳洋さん
檜原村の笛吹というところでパン屋"たなごころ"をやっている。そのパン屋の反対側の対岸に里山をつくって、そこに小さなログハウスを立て、里山を再生して、自然の中で楽しんで頂こうのと考えでプロジェクトを始めた。


左の写真は、対岸にある笛吹地区の山林で、植林されてかなり密生された状態、40年から60年くらいの人工林(針葉樹林)になっている。
右の写真は、40年くらいの手入れされていないヒノキ林、次は間伐して7年ほどたった50年生のスギの林で、下草もはえ生き生きとした感じがする。
一生懸命植えてきたが、手入れが遅れている。間伐をしようとしているが、伐った木は山に捨てられている。捨てられた木をなんとか有効に使おうと、我々はその間伐材でログハウスを作ってみようと考えている。
ログハウスは高いというイメージがあるが、間伐材を搬出して製材してログハウスを建てようという計画を持っている。
間伐材を搬出するために補助を出しましょう、搬出するために作業道を作るのでそれにも補助を出しましょうと檜原村も協力体制をとっていただける。そのため安いログハウスが出来る。
檜原村も昔は製材所が20軒ほどあったが、今は数軒。それで製材所に仕事をしてもらおうと、あえて私たちは丸太のログではなく製材した、四角いログのログハウスを考えた。
まず、来年2月から間伐の体験ツアーを始めます。ログハウスを建てる土地が必要なら貸しますし、親子で夏休みに組み立てられるような。ログハウスのキットを考えている。
間伐を進めて、スギがいっぱいの山だが、将来は里山のようになることを夢見ている。